不育症(習慣流産)

不育症外来について

当院では流産を2回以上繰り返すカップルを対象に、原因を検索するため各種検査(一部自費の検査あり)を行なっています。
原因で最も頻度の多いものは胎児染色体異常です。
これについては、流産後の胎児組織や絨毛などからNGS(次世代シーケンサー)を用いた染色体解析を行なっています。

それ以外の原因には、抗リン脂質抗体、血液凝固異常、子宮形態異常、甲状腺機能異常、夫婦染色体変異・異常などがあり、検査をしても明らかな原因がわからない方もいます。

不育症の原因を探る基本的な保険適用検査です。

1.血液一般検査
2.甲状腺機能検査(T3/T4/TSH)
3.卵巣機能検査(E2/P/PRL)
4.抗リン脂質抗体検査(カルジオリピンIgG抗体)
5.ループスアンチコアグラント(希釈ラッセル蛇毒時間法)
6.空腹時血糖検査、HbA1c
7.流産絨毛染色体検査

特殊検査(自費検査)

1.NK細胞活性検査
2.自己抗体検査、抗核抗体検査
3.ループスアンチコアグラント(中和抗体法)
4.第12因子検査
5.プロテインC
6.プロテインS
7.Th1/2比検査
8.流死産検体を用いた遺伝子検査(先進医療)
9.夫婦染色体検査

不育症に対する治療の基本

黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常、糖尿病などはホルモン剤を用いた治療になります。
血液凝固系異常に対しては低容量アスピリン治療、免疫系抑制が必要な場合にはステロイド治療をおこなっています。
また精神的サポートが重要なため、妊娠前から妊娠初期の不安定な時期にカウンセリングなど個別対応をしております。

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