プロトコル、E2値が多核胚発生に及ぼす影響 (2016年 第61回 日本生殖医学会)
○松田 有希野、新井 千登勢、浅井 菜緒美、吉貝 香里、中野 英子、澤田 富夫

目的
多核胚の移植により健常児が出生していることから、多核胚が移植対象となってきている。しかし、当院での経験で多核胚は単核胚より良好胚発生率が低い。プロトコルやE2値などの違いにより多核胚発生率が異なるという報告があることから、当院でも比較検討を行った。

方法
2015年1月から12月までに採卵を行った151症例173周期のうち、正常受精後2細胞に分割し、核相が判明した461個の胚を対象とし、それぞれ採卵決定時E2値、プロトコル別の多核胚発生率、多核胚の胚盤胞発生率について比較検討した。

結果
採卵決定時E2値は、Long法2035.2±511、antagonist法1573.2±598、クロミッド法1639.1±562であり、Long法がantagonist法やクロミッド法と比べて有意に高かった。プロトコル別多核胚発生率は、Long法57.8%(89/154)、antagonist法60.4%(113/187)、クロミッド法59.2%(71/120)であり、発生頻度に差は認められなかった。多核胚の胚盤胞発生率についても、Long法37.5%(24/64)、antagonist法34.4%(22/64)、クロミッド法27.3%(9/33)であり、差は認められなかった。

考察
当院の検討結果ではE2値の高低差や、プロトコル別で多核胚発生率に有意差がないことから、E2やプロトコルの違いに関係なく多核は発生することがわかった。よって、患者にあったプロトコルを使用し、採卵を行うのがよいと思われる。
2016.05.14
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