Embryo Scopeを良好胚選別に有効的に利用するには (2013年 第58回 日本生殖医学会)
〇吉貝 香里、堀 紗耶未、中野 英子、澤田 富夫

目的
EmbryoScopeTMは培養システム外に胚を取り出すことなく形態観察できるので、胚に対するストレスを軽減できるメリットがある。また観察ポイントを細かく設定することで、個々の胚の発育スピードだけでなく複数胚を同時に確認できるので良好胚を選別しやすくなることが期待される。今回本システムを用いることにより従来までの良好胚選別法との比較を行った。

対象および方法
ICSI施行後の胚を速やかに本システム内に静置し培養を継続した。培養条件はsingle step mediumを用い5%O2-5%CO2-90%N2下に培地交換せず5-6日間培養を行った。ICSI後のPN出現時間、PN消失時間、第1分割時間、第2分割時間、compactionの開始時間、morula~blastocyst発生時間を記録モニターより確認し、その推移と従来の形態学的評価(Veek分類・Gardner分類)との関係を比較検討した。

成績
①受精胚のうちD2で選別Freezeもしくは新鮮胚移植を行った従来基準での最良好胚と、それ以外の継続培養を行った胚との間にはPN消失時間、第1分割時間に有意差があった。②継続培養を行った胚のうちblastocystまで発育し凍結保存ができた胚と凍結保存に適さないと評価した胚との間にはPN消失時間、第1分割時間、compaction開始時間に有意差がみられた。③PN出現時間、PN消失時間が平均より短い(発育の速い)胚は胚盤胞での形態評価で良好胚になる確率が高かった。④morula~blastocystへの発育速度が速い胚は形態学的に良好胚になる確率が高かった。

考察
EmbryoScopeTMによる発育スピードのtime-lapse観察は良好胚を選別する方法として有用な手段として利用できる可能性がある。従来の選別基準と比較して一層有効かはさらに症例を重ね検討する必要がある。
2013.05.14
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