短時間培養とタイムラプス観察による前核見逃しの防止と胚の妊孕性の評価の解析
2017年1月より後、体外受精を実施したあなたの臨床データを研究のために用いさせていただくことについての説明文書

臨床研究課題名:短時間培養とタイムラプス観察による前核見逃しの防止と胚の妊孕性の評価

 

【当院で不妊治療を受けている皆様へのお願い】

研究に必要な臨床情報は、あなたの医療記録を利用させていただきます。改めてあなたに受診していただくことや、検査を受けていただく必要はありません。

情報提供を希望されないことをお申し出いただいた場合、あなたの情報を利用しないようにいたします。この研究への情報提供を希望されない場合であっても、診療上何ら支障はなく、不利益を被ることはありません。

 

  • この研究を計画した背景


生殖補助医療において、卵子と精子を同じ培養液中で培養する、いわゆるConventional-IVF(C-IVF)と呼ばれる媒精方法では、媒精後20時間前後で卵子周囲の卵丘細胞を除去(裸化)し前核の確認(受精確認)を行います。

この受精確認では、前核2個を正常受精とし、1個あるいは3個以上を異常受精とします。異常受精胚は染色体異常である可能性が高く、移植しても多くが出産に至らず、特に3前核胚では胞状奇胎となるリスクもあり、正確な受精確認は極めて重要です。しかし、前核は媒精から21.9±3.0時間で消失するとされているため、従来の方法では確認前に前核が消失してしまい、その胚が正常受精であったのか確認できない場合があります。このような前核消失による見逃しが7~10%発生することが報告されており、当院でも約3%発生しています。この解決策として、従来より早い時間(4~5時間)での裸化を行い、胚の連続的撮影が可能な培養器(タイムラプスモニタリングシステム)で培養することにより、前核の見逃しが防止できると報告されています。

当院でもこれまでは従来の方法を行っていましたが、媒精約5時間後にタイムラプスモニタリングシステムが使用でき、培養室の業務時間上可能である場合には短時間媒精を行うようにしています。また、精子が存在する環境で卵子を長時間培養することによる卵子への負の影響も報告されており、媒精時間の短縮は培養環境を向上させる可能性があります。

本研究は、短時間の媒精が受精確認精度、受精成績、胚発生能、妊孕性の向上に繋がるかを検討するものです。

 

2.この研究の目的

対象:当院にて体外受精・胚移植などの生殖医療を施行された方。

目的:短時間媒精が受精確認精度、受精成績、培養成績、移植妊娠成績の向上に繋がるかを調べること。

研究代表者:さわだウィメンズクリニック 澤田 富夫

研究実施施設:さわだウィメンズクリニック

研究責任者:さわだウィメンズクリニック 松田 有希野

 

3.この研究の方法

採卵から受精成績、培養成績、移植成績を入力したデータベースを使用して、C-IVFを行った卵子のみを選別し、従来型媒精(媒精後20時間で裸化・受精確認を実施)を行った群と、短時間媒精(媒精後4~5時間で裸化し、タイムラプスモニタリングシステムで受精確認を実施)を行った群について、受精成績(正常受精、異常受精、不受精、前核不明に分類)、胚盤胞発生率、妊娠率、流産率を比較検討します。

 

4.この研究に参加しなくても不利益を受けることはありません。

この臨床研究への参加はあなたの自由意志によるものです。参加しなくても今後の治療で決して不利益を受けることはありません。またいつでも参加を取りやめることもできます。途中で参加を取りやめる場合でも、今後の治療で決して不利益を受けることはありません。

 

5.あなたのプライバシーに係わる内容は保護されます。

試験を通じて得られたあなたに係わる記録が学術誌や学会で発表されることがあります。しかし、検体は匿名化した番号で管理されるため、得られたデータが報告書などであなたのデータであると特定されることはありませんので、あなたのプライバシーに係わる情報(住所・氏名・電話番号など)は保護されています。

 

6.得られた医学情報の権利および利益相反について

本研究により予想される利害の衝突はないと考えています。本研究に関わる研究者は「厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)の管理に関する指針」を遵守し、各施設の規定に従ってCOIを管理しています。

 

7.この研究は必要な手続きを経て実施しています。

この研究は、さわだウィメンズクリニック倫理委員会において、医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門家や専門以外の方々により倫理性や科学性が十分であるかどうかの審査を受け、実施することが承認されています。またこの委員会では、この試験が適正に実施されているか継続して審査を行います。

 

8.データの二次利用について

研究終了後に今回収集したデータをこの研究目的とは異なる研究(今はまだ計画や予想されていないが将来重要な検討が必要になる場合など)で今回のデータを二次利用する可能性があります。利用するデータは個人のプライバシーとは結び付かないデータです。二次利用する場合にはあらためて研究倫理審査委員会での審査を受審した後に適切に対応します。

 

9.本研究について詳しい情報が欲しい場合の連絡先

この臨床研究について知りたいことや、ご心配なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。

さわだウィメンズクリニック 連絡先 月~土 10:00~12:00 TEL(052)788-3588
2022.01.25
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