学会・論文発表一覧

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    2019年

  • NGS解析データより胚移植順位の基準を再構築する

    吉貝香里1 松田有希野1加藤武馬2 宮井俊輔2 新井千登勢1 鈴木篤智1 冨田麻莉1中野英子1 倉橋浩樹2澤田富夫1 
    1さわだウィメンズクリニック 
    2藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門

    目的
    移植に供する胚の選別方法は、Veek分類やガードナー分類を基に、各施設でそれぞれ独自に基準を設けていることが多いと思われる。正倍数胚を移植すると70%程度の高い妊娠率が得られるが、形態学的評価のみでは胚の倍数性までは判定できない。
    そこで、NGS染色体解析結果より、倍数性と当院における凍結胚の移植順位の決定付けがどの程度一致しているか後方視的に検討した。

    方法
    当院にて凍結保存後に廃棄した研究同意胚盤胞114個を用い、NGS染色体解析を行った。
    廃棄胚盤胞は、Embryo Scopeで培養した際の画像を後方視的に胚の分割形態や、分割時間、ガードナー分類、胚盤胞径など再検討し、移植優先順位が倍数性と一致しているか比較した。なお当院ではDay2分割期胚凍結を1ないし2個凍結しており、第一分割の時間と分割時の細胞形態を考慮して選別する。廃棄胚盤胞のデータには分割期胚を融解後胚盤胞に至った胚(14個)も含まれる。

    結果
    正倍数胚、異数胚、モザイク胚はそれぞれ 44.7%(51/114), 44.7%(51/114), 10.5%(12/114)であった。また、分割期胚で融解後胚盤胞に至った胚はそれぞれ64.3%(9/14),21.4%(3/14),14.3%(2/14)であった。ガードナー分類3BB以上の胚76個では正倍数胚、異数胚、モザイク胚は52.6%(40/76),38.2%(29/76),9.2%(5/76)であった。胚盤胞径では、160μm以上の胚70個でそれぞれ52.9%(37/70),34.3 %(24/70),12.9%(9/70)であった。移植順位が2位までになっていた胚61個のうち正倍数胚、異数胚、モザイク胚それぞれ55.7%(34/61),36.1%(22/61),8.2%(5/61)であった。正倍数胚でありながら順位が下位になった胚は第二分割期より遅延しているものが多かった。異数胚で順位が上位であった胚も同様に第一第二分割遅延が認められた。

    結論
    当院ではDay2胚を凍結する際の選別基準は正倍数胚率が高いことより、現在の基準で選別できていると考えられる。胚盤胞については、ガードナー分類のみでは正倍数率は約1/2であり、その他に胚盤胞径を考慮して順位の決定付けをするのが望ましいと考えられた。
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  • 精子因子が異数性に与える影響

    鈴木篤智1)、吉貝香里1)、加藤 武馬2)、宮井 俊輔2)、松田有希野1)、新井千登勢1)、冨田麻莉1)、中野英子1)、倉橋 浩樹2)、澤田富夫1)
    1)さわだウィメンズクリニック、2)藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門

    目的
    IVF/ICSIで受精後胚の発生停止や発育不良の原因として卵子因子だけでなく、精子因子の関与も考えられる。今回NGS解析に用いた胚の受精時の精液所見から精子因子が異数性に影響を与えているか検討した。

    方法
    研究同意を得られた廃棄胚をNGS解析に供した。143個の解析胚のうち正倍数胚59個、モザイク異数性胚26個を用いた。非モザイク異数性胚は卵子側の要因の影響が大きいといわれているため、今回の検討から除外した。正倍数胚の精液所見とモザイク異数性胚の媒精時の精液所見を比較検討した。またWHO基準で濃度と運動率に分けて検討した。精子濃度が15×10⁶/mlより低い群と高い群に分け、各群の正倍数胚の数、モザイク胚の数を比較検討した。運動率は40%未満と40%以上で検討した。有意差検定はt検定とFisherの正確確率検定を用いた。

    結果
    患者年齢を比較したところ、妻の年齢では正倍数胚とモザイク異数性胚で差はなかったが夫年齢では正倍数胚と比較してモザイク異数性胚で有意に若かった(36.8±5.6歳vs. 34.2±4.5歳 p<0.05)。正倍数胚とモザイク異数性胚では媒精時の精子濃度、運動精子濃度、奇形精子濃度において有意差は見られなかった。精液量は正倍数胚と比較してモザイク異数性胚で有意に多かった(2.8±1.2ml vs. 3.4±1.2ml p<0.05)。濃度の検討では精子濃度が15×10⁶/mlより低い群は高い群と比較して、有意差はないものの正倍数胚の数が減少する傾向が見られた(30.0% vs. 44.8%)。運動率では有意差はないが、40%未満の胚で正倍数胚の比率が減少する傾向にあった(31.6%vs. 43.4%)。

    結論
    少ない精子濃度と低い運動率が正倍数胚の数を減少させる要因である可能性が示唆された。
    またモザイク異数性胚で精液量が多い症例がみられることから、精漿中の何らかの要因がモザイク異数性胚の発生に関与している可能性が示唆された。今後症例数を増やし、さらなる検討をしていきたい。
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  • 凍結融解胚移植において異数胚を避けるための条件

    松田 有希野1)、吉貝 香里1)、加藤 武馬2)、宮井 俊輔2)、新井 千登勢1)、鈴木 篤智1)、冨田 麻莉1)、中野 英子1)、倉橋 浩樹2)澤田 富夫1)、
    1)さわだウィメンズクリニック、2)藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門

    目的
    非侵襲的な方法での胚の選別について、多くはガードナー分類を用いている。さらに、近年では、胚盤胞の拡張具合も同様に検討され、当院でも胚盤胞の拡張が大きいほど妊娠率が高くなると報告してきた。しかし、胚の染色体異数性について形態学的視点からの確定的な選択基準は見つかっていない。よって今回私たちは、ROC曲線を用いて胚盤胞径のカットオフ値を算出し、異数性率がどのくらい低くなるか検討した。

    方法
    2013年5月から2018年6月の間に採卵し、患者同意を得られた廃棄胚盤胞48症例70個の胚盤胞を用いた。胚の培養はEmbryo Scopeを使用し、37℃、5%O2、6%CO2の条件下で連続培養を行った。胚の直径を2ヵ所測定し、その平均値を胚盤胞径とした。ROC曲線からカットオフ値を求め、正倍数性率、異数性率を計算した。

    結果
    ROC曲線によるカットオフ値は152μm(陽性的中率78.8%)であった。よって、胚盤胞径153μm以上と152μm以下に胚盤胞を分類した。153μm以上での正倍数性率と異数性率は、59.1%(26/44)、40.9%(18/44)であり、152μm以下では、26.9%(7/26)、73.1%(19/26)であった。
    また、152μm以下では、153μm以上と比較して、正倍数胚が有意に少なく、異数胚が有意に多いことが分かった。(P<0.01)

    考察
    今回の結果より、カットオフ値で区切った大きな胚盤胞を選択することによって、異数胚を選択するリスクが低くなることがわかった。凍結時は胚盤胞サイズを確認し、条件にあった胚盤胞径のものから凍結融解胚移植を行うことによって、妊娠率の向上に役立つ可能性がある。また、測定時間の見直しやガードナー分類などの条件を追加することによってさらに精度があがるのではないかと考える。
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  • NGS分析を用いた胚発育の後方視的解析

    松田 有希野1)、吉貝 香里1)、加藤 武馬2)、宮井 俊輔2)、新井 千登勢1)、鈴木 篤智1)、冨田 麻莉1)、中野 英子1)、倉橋 浩樹2)澤田 富夫1)、
    1)さわだウィメンズクリニック、2)藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門

    目的
    胚の異数性を解析すると、施設間での培養状況や卵巣刺激法の違いにより差異があるという報告がある。さらに、媒精方法や、ICSI施行者の違いによる要因も考えられている。当院で得られた廃棄胚盤胞をNGSによって染色体解析し、胚発育状況を種々の要因で違いがあるか後方視的に検討した。

    方法
    2009年4月から2018年10月の間に採卵し、患者同意を得られた廃棄胚盤胞75症例142個を使用した。媒精方法、ICSI施行者の違いによる異数性の差異を検討した。NGS解析から、正倍数胚59個(41.5%)、構成型異数胚55個(38.7%)、モザイク異数胚28個(19.7%)であった。構成型異数胚は、患者年齢や卵巣刺激のような培養前の因子に大きく依存することから、正倍数胚とモザイク異数胚のみで検討した。

    結果
    正倍数胚率とモザイク異数胚率を媒精方法の違いからみると、C-IVFでは71.0%(22/31)、29.0%(9/31)であった。ICSIでは、66.1%(37/56)、33.9%(19/56)であり、C-IVFとICSIで正倍数胚率とモザイク異数胚率に有意差はなかった。また、ICSI施行者による正倍数胚率とモザイク異数胚率は、A者59.1%(13/22)、40.9%(9/22)、B者52.9%(9/17)、47.1%(8/17)、C者83.3%(10/12)、16.7%(2/12)であり、施行者間で有意差はなかった。また、異数性を示す染色体の数が1~2つのモザイク胚と、3つ以上ある複雑なモザイク胚をICSI施行者の違いで差があるか調べたところ、A者77.8%(7/9)、22.2%(2/9)、B者87.5%(7/8)、12.5%(1/8)、C者100%(2/2)、0%(0/2)であり施行者間で差はなかった。

    考察
    モザイク異数胚の発生率は年齢にかかわらず20%程であり、当院全体でのモザイク異数胚の発生率は同程度である。結果から媒精方法で差はなかったが、ICSI施行者の違いでは有意差はないものの個々で差があるように思われる。裸化やICSIを行う際の手法を見直すことによってモザイク異数胚率を減少させることができるのではないかと思われる。今後、症例数を増やし検討していきたい。
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  • 凍結胚移植における胚発育と移植のタイミングとの関連

    〇鈴木篤智、吉貝香里、松田有希野、新井千登勢、冨田麻莉、中野英子、澤田富夫

    目的
    以前より前核出現が早く、分割が早い胚は妊娠率が高いという報告がある。当院でも初期胚の凍結時には、発生時間を考慮し、発生が早く分割が良好な胚を選別し凍結を施行している。しかし初期胚の発生が遅い胚であっても、継続培養後胚盤胞に到達し、融解胚移植後着床する胚もあり、胚の発生と最適な移植のタイミングについて検討した。

    方法
    ART治療にて採卵し、Embryo Scope(ES)による連続培養の後、凍結胚移植を施行した患者(64症例172周期)を無作為に抽出した。患者の平均年齢は34.9±3.6歳であった。ESの画像から前核出現時間、前核消失時間、第一分割、第二分割、Compaction、Compactionから胚盤胞発生までの時間を測定した。初期胚移植(D2)と胚盤胞移植の結果をそれぞれ妊娠継続群(FB(+)群)、非妊娠群(PT(-)群)、流産群の3群に分類した。
    3群における各発生時間と妊娠結果の関連を検討した。

    結果
    初期胚移植では、FB(+)群、PT(-)群、流産群で発生時間に有意差はないが、FB(+)群で他2群より発生時間が早い傾向にあった。胚盤胞移植では、Compactionから胚盤胞発生までの時間がFB(+)群で98.4±9.7時間、PT(-)群で95.5±10.3時間、流産群で91.4±6.1時間であり、流産群がFB(+)群と比較して有意に早いことがわかった。また、前核出現からCompactionまでの分割時間に有意差はないものの流産群が他2群より早い傾向にあった。

    結論
    初期胚では、発生時間が早いほど妊娠継続する傾向があることがわかった。よって初期胚を凍結保存する際は、発生の早い胚を選択するのがよいと考えられた。また、胚盤胞については、発生が早い胚が流産に至る原因として、これらの周期では、implantation windowの変化と移植のタイミングと合致していない可能性がある。移植にあたってはホルモン値や内膜の厚さを測定し、個別に移植のタイミングを計画する必要性があると考えられた。
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