Reverse cleavageは異常分割細胞の自己修復の意味を持つか?(第41回日本受精着床学会)
渡辺真一 鈴木篤智 冨田麻莉 松田有希野 吉貝香里 中野英子 澤田富夫


【目的】
胚の初期不規則動態として、一旦分割した割球が融合するReverse cleavage(RC)が知られているが、RCが胚発育や妊孕性にどのような影響を及ぼすかは意見の一致を見ていない。RCには正常分割後の融合とdirect cleavage(DC、1細胞が短時間で3細胞以上に分割する動態)後の融合があり、前者は4倍体形成を招くと考えられるが、後者は異常分割細胞が修復される可能性が考えられる。今回、DC由来割球と、DC後に融合した割球のその後の発育を比較し、RCの意義を検討した。

【対象と方法】
2020-2021年に採卵されEmbryoScope(Vitrolife)で5日間以上培養された835個の胚のうち、2細胞期となった後5時間以内に分割(以下早期分割)が起こり3細胞以上となった胚185個を対象とした。早期分割した割球について、その後融合しなかった場合をDC割球、融合した場合をRC割球として、それらのその後の発育を観察し、胚盤胞を形成したか否かを記録した(なお、有核の構造物を「割球」、完全に分割した割球が融合することを「RC」と定義した)。

【結果】
DC割球を持つ胚(DC胚)は174個、RC割球を持つ胚(RC胚)は11個であった。割球の胚盤胞形成率はDC割球21.6%、RC割球37.1%で有意差はなかったがRC割球が高い傾向が見られた。胚の良好胚盤胞(4BC以上)発生率はDC胚38.5%(67/174)、RC胚45.5%(5/11)で有意差はなかった。単一胚盤胞移植生産率はDC胚18.8%(3/16)、RC胚0%(0/1)であった。

【結論】
 早期分割した割球がその後融合することで割球の胚盤胞形成率が増加する傾向が見られたが有意差はなく、この融合が異常分割細胞の修復であることは示されなかったが、今後対象を増やすことで詳細を明らかにしたい。

2023.08.21
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