Direct cleavageで発生した割球は胚盤胞を構成するのか(第66回日本生殖医学会)
渡辺 真一1 吉貝 香里1 冨田 麻莉1 鈴木 篤智1 松田 有希野1

宮井 俊輔2 中野 英子1 倉橋 浩樹2 澤田 富夫1

1 さわだウィメンズクリニック 2 藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門

 

【緒言】

初期分割でDirect cleavage(1細胞が3細胞以上に分割する現象、以下DC)が観察された胚は胚盤胞発生率が低下するが、胚盤胞に到達すれば移植成績および正倍数率は低下しないとの報告が多く見られる。だがその理由は明らかでないため、原因を探るべくDCで発生した割球のその後の発育を観察、検討した。

 

【対象と方法】

2013-18年に採卵されEmbryoScope(Vitrolife)でタイムラプスモニタリングされた胚のうち、患者同意を得た廃棄胚盤胞89個を対象とした。第一分割でDCが見られた胚(DC1群)について割球のその後の発育を観察して「分割停止、または分割は進むがコンパクションしない」「胚盤胞化」の2類に分類し、胚盤胞化割球の割合を算出した。第一分割正常だが第二分割で1つの割球にDCが見られた胚(DC2群)、第一・第二分割正常胚(正常群)の割球も同様に分類して比較した。対象胚にはTE生検・NGS解析を行った。

 

【結果】

胚盤胞数はDC1群32個、DC2群9個、正常群48個であった。

割球の胚盤胞化率はDC1群55.9%、正常群95.1%で、DC由来割球の胚盤胞化率は有意に低かった(P<0.01)。

またDC2群における割球の胚盤胞化率はDC由来割球46.0%、正常分割割球90.8%で、DC由来割球の胚盤胞化率は有意に低かった(P<0.01)。

NGS解析結果はDC1群:正倍数性37.5%、異数性53.1%、モザイク9.4%、DC2群:それぞれ55.6%, 33.3%, 11.1%, 正常群:それぞれ35.4%, 45.8%, 18.8%で、いずれの項目も有意差はなかった。

 

【結論】

第二分割までのDC由来割球のおよそ半数が胚盤胞を構成しなかった。これはDCで発生した染色体異常細胞の除外と考えられ、DCが胚盤胞発生率を低下させるが胚盤胞の正倍数率を低下させない理由の一つであると推測された。

 
2021.11.18
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