自費診療と保険診療のART成績の比較(第64回日本卵子学会学術集会)
冨田 麻莉 渡辺 真一 鈴木 篤智 松田 有希野 吉貝 香里 中野 英子
澤田 富夫

【目的】

2022年4月から生殖補助医療(ART)への保険適用が開始され臨床成績への影響が注目されている。今回、当院で行った保険適用開始以前の自費診療と保険診療で行われたARTについて臨床成績の比較検討を行った。

【対象と方法】

2021年6月-2022年3月に自費診療で行ったART(自費群、254周期)、2022年4-12月に保険診療で行ったART(保険群、225周期)を対象として、成熟卵子獲得数、受精・培養・単一胚移植成績を比較した。

【結果】

平均年齢は自費群38.1歳、保険群36.1歳、採卵1回あたりの平均成熟卵子獲得数はそれぞれ4.8個、6.0個でいずれも有意差が見られた(P<0.01)。IVFとICSIの正常受精率は自費群50.2%、78.1%、保険群54.7%、80.4%でいずれも有意差はなかった。胚盤胞凍結率(ガードナー分類≧4BC)は、39歳以下で自費群45.6%、保険群37.2%で有意差が見られ(P<0.05)、40-42歳ではそれぞれ25.0%、18.9%で有意差はなかった。初期胚移植妊娠率、流産率は39歳以下で自費群34.1%、13.8%、保険群34.9%、11.1%、40-42歳は自費群13.3%、50.0%、保険群14.3%、0%、胚盤胞移植妊娠率、流産率は39歳以下で自費群31.6%、28.0%、保険群42.9%、12.8%、40-42歳は自費群25.0%、50.0%、保険群46.7%、14.3%となり、いずれも有意差はなかったが、保険群の妊娠率が高い傾向にあった。

【結論】

保険診療によって受精成績、移植成績が低下することはなかった。39歳以下の胚盤胞凍結率に有意差が認められたが、4CCで凍結されなかった胚が自費群11.8%と保険群19.2%で保険群の方が有意に高く(P<0.05)、保険診療の移植回数制限により凍結基準を厳しくしたためと考えられた。これに関して有意差はなかったが、保険診療で胚盤胞移植妊娠率が高い傾向にあったことに関連している可能性が考えられた。


2023.05.31
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