移植可能な多核胚の選別基準の検討(日本受精着床学会雑誌Vol.33)
著者名:松田 有希野、吉貝 香里、新井 千登勢、澤田 祐季、中野 英子、澤田 富夫

 

多核胚では染色体異常が多いなどの報告もあるが、多核胚が必ずしも正常産に至らないという確証はない。臨床的妊娠成立後の胚をタイムラプスイメージを用いて胚を観察することで分割期での多核の観察が可能になったことにより、後方視的に検討し、移植可能な多核胚の選別基準を検討した。単一胚移植を行い、臨床的妊娠・妊娠予後が確認できた50症例54周期のうち、出産に至った多核群(出産多核群、n=33)と流産に至った多核群(流産多核群,n=21)を対象とした。採卵時平均年齢で両群に有意差があったことから35歳未満と35歳以上で区切り、双方でそれぞれ胚移植条件を設けることにした。35歳以上で7細胞期から8細胞期までの時間が流産多核群で有意に長かった。また、compaction時の細胞数で年齢に関係なく10細胞期以下では流産に至る可能性が高かった。さらに、全年齢で最終細胞分割から拡張胚盤胞形成までの時間経過が流産群では延長することが判明した。これらを参考に出産できる多核胚を選択することが重要と考えられる。
2016.03.11
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