一般不妊治療

基本の検査について

当院では不妊症の原因を見極めるため様々な検査を行っています。不妊の原因は女性側が58% 男性側が32%と言われています(WHO)。
当院では必要な検査を行うことで妊娠を妨げている原因をみつけ出し、ひとり一人の患者様にとって最適な治療方法を提案し、患者様の意思を尊重しながら治療を決定し、できうる限り自然妊娠を目指します。

不妊検査が必要な人は?

  • 30歳未満で結婚して、1年以上が経過しており、妊娠を希望されている方
  • 30歳以上で結婚して半年以上が経過しており、妊娠を希望されている方
  • 30歳以上の未婚女性で、結婚後、妊娠を希望されている方(ブライダルチェック)
  • 年齢に関わらず、ご自身の妊娠できる可能性を知っておきたい方

月経期に行う検査

  • FSH・LH・プロラクチンなどホルモン検査
  • 前胞状卵胞数の計測(超音波エコー検査)

低温期(卵胞期)に行う検査

  • 子宮卵管造影検査(HSG)

子宮の入り口からカテーテルを用いて造影剤を静かに注入し、レントゲンを撮ります。原則2日連続で撮影します。この検査を受けることで、子宮腔の形、大きさ、卵管の通過性、狭窄の有無などがわかります。2日目の写真では骨盤内膜症や炎症の程度を知ることができます。また子宮や卵管に造影剤を入れることで、卵管の軽度な癒着を広げる効果もあり妊娠しやすい状態への改善が期待できます。

  • エストロゲンホルモン検査
  • 発育卵胞の計測(超音波エコー検査)
  • 子宮鏡検査

排卵期に行う検査

  • フーナーテスト(性交後試験)・抗精子抗体検査

排卵数日前~排卵日頃(医師の指定日など)の検査当日に性交渉をもって来院していただき、子宮口入口や子宮頚管内の粘液を採取します。頚管内の精子があまり動いていない、あるいは精子が見つからない場合は、頚管粘液が精子の通過を阻んでいる可能性も考えられます。検査時のタイミングも重要で、不良の場合には複数回検査をして診断していきます。フーナーテストで結果が不良の場合に抗精子抗体検査を行っていきます。精子を外部からの異物とみなして攻撃し排除してしまう抗体で、女性側にそのような抗体があると精子を拒絶してしまう原因となります。抗体価の強さにもよりますが、強陽性の場合には自然妊娠が難しいので早めのステップアップを考慮していきます。

  • 卵胞計測・子宮内膜厚の計測(超音波エコー検査)

高温期(黄体期)に行う検査

  • プロゲステロンなどホルモン検査
  • 排卵後の黄体・子宮内膜厚の確認や計測(超音波エコー検査)
  • 子宮内膜組織検査(内膜日付診・内膜炎の有無)

その他の検査

  • 基礎体温(BBT)
  • 子宮頸がん検査(月経中以外)
  • クラミジア検査(月経中以外)

血中の抗体を調べる検査と子宮頚部を綿棒で拭いその中にクラミジア菌がいるかを調べる検査があります。クラミジアは卵管のまわりに癒着を起こしたり卵管を閉塞させたりする原因となる感染症です。陽性の場合、抗生剤投与で陰性化するのを待ちます。

  • 甲状腺機能検査
  • 感染症スクリーニング検査
  • 抗ミュラー管ホルモン検査(AMH)

卵巣にある卵子数の目安となる値で、卵巣機能評価法のひとつです。年齢とともにAMH値は減少していく傾向にあり、AMH値が高ければ残りの卵子が多く(=不妊治療の猶予期間が長い)、低ければ残りの卵子が少ない(=不妊治療の猶予期間が短い)と予測することができます。卵巣にある卵子数の目安を知ることで、より患者様にあった治療方針を決めやすくなります。

  • CA125(子宮内膜症などの活性値検査)
  • テストステロン等のホルモン検査
  • LH-RHテスト(ホルモン刺激検査)

男性因子の検査

  • 精液検査
  • FSH・LH・プロラクチン・テストステロンなどのホルモン検査

以前の検査データをご持参いただくことにより省くことが可能な検査がありますが、当院での再検査が必要な場合もございます。

検査はおもに保険診療によるものですが、一部治療内容によって自費の項目があります。詳しくはお問い合わせください。

一般不妊治療について

基本の検査を受けて異常がなければ、タイミング指導で自然妊娠を目指します。自然周期と、排卵誘発剤を使用する方法があります。排卵日に合わせてタイミングを持っていただくことになりますが、ここで妊娠される方も多いのです。3~4ヶ月続けても妊娠の兆候が見られない場合は、妊娠の確率を高めるために「人工授精」や、より高度な不妊治療とされる「体外受精」を視野に入れて考えていただくようにしています。
その間に子宮・卵管等に問題があれば、積極的に手術療法も行います。
特に卵管閉塞に対して行う卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル)は日帰りで実施している手術です。

手術について

  • 子宮内膜ポリープ掻爬手術(当院で日帰り手術を行います)
  • 卵管鏡下卵管形成術 FTカテーテル(当院で日帰り手術を行います)
  • 子宮筋腫核出術・卵巣嚢胞摘出術(連携施設)
  • 骨盤内膜症による癒着剥離・焼灼術(連携施設)
  • 男性不妊症 精巣生検等(連携施設)
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